注文のしくみを、価格と順番で理解する
FXの注文方法を図解。
「どの価格で、何が起こる?」がわかる
指値と逆指値は「待つ価格の違い」。OCO・IFD・IFOは「注文を組み合わせる順番の違い」です。まず買い・売りの価格マップで整理し、その後、価格を動かす練習と具体的な損益計算で確かめましょう。
最初の答え:今すぐなら成行。安く買う・高く売るなら指値。上がったら買う・下がったら売るなら逆指値。保有中のポジションに利確と損切りを付けるなら決済OCO、新規注文と出口2つをまとめるならIFOです。
以下は米ドル/円の架空の例です。実際の取引・発注は行いません。注文の名称、受付時間、約定・取消ルールは会社やツールで異なります。
1. 新規と決済はセット。買いで始めたら売って終わる
「新規」は取引を始めてポジション(保有している売買の持ち分)を作ること。「決済」はそのポジションを閉じ、損益を確定させることです。「売りボタン=新しく売る」とは限らず、買いポジションを閉じる売りもあります。
図解01|入口と出口で、売買の向きが逆になる
買いから始める
買いの利益=
(決済Bid − 新規Ask)×通貨数
売りから始める
売りの利益=
(新規Bid − 決済Ask)×通貨数
手動で閉じる場合は、まず保有ポジションを選び、その決済画面から操作するのが確認しやすい流れです。別の新規注文として反対売買すると、両建て設定などによっては元のポジションが残ることがあります。両建ての仕組みも確認してください。
2. 指値と逆指値は「現在の売買価格より上か、下か」で整理する
指値は自分にとって有利な価格を待つ注文です。買いなら安い方、売りなら高い方が有利です。逆指値(ストップ)は、その反対側の価格に達したら注文を執行する仕組みです。損切りだけでなく、一定の水準を超えた後の新規注文にも使われます。
図解02|現在150円としたときの、4つの置き場所
「買う」注文
「売る」注文
「有利・不利」の基準は、注文を出すときの売買価格です。元の購入価格を基準に注文名が決まるわけではありません。例えば150円で買い、現在152円まで上がった後に151円で決済する売り逆指値を置けば、想定どおり約定した場合は利益を残せます。
価格関係と逆指値の執行方法:JFX公式「指値注文・逆指値注文」。同値や現在価格をまたぐ指定の可否、必要な価格差は利用会社の画面・仕様で確認してください。
3. 成行・指値・逆指値・OCO・IFD・IFOの違い
| 注文 | やりたいこと | 動く条件・順番 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|---|
| 成行 | 価格を指定せず、いま売買する | その時点で取引可能な価格で執行 | 見た価格と約定価格は一致しない場合がある |
| 指値 | 安く買う・高く売る | 指定した価格条件を待つ | 希望価格まで来なければ未約定のまま |
| 逆指値 | 価格到達後に売買する | 買いは上、売りは下への到達で執行 | 指定価格は約定価格の保証ではない |
| OCO | 2つの注文を連動させる | 一方が約定したら、他方を取消 | 決済だけでなく新規に使える会社もある |
| IFD | 新規と決済1つを予約する | 新規が約定してから決済を有効化 | 利確だけを付けた場合、損切りは付かない |
| IFO (IFD-OCO) | 新規と、利確・損切りをまとめる | 新規が約定してから決済OCOを有効化 | 新規が未約定の間、出口はまだ働かない |
成行と「即時・ストリーミング」は、同じつもりで操作しない
すぐ売買するためのボタンでも、会社によって成行・即時・マーケット・ストリーミングなど名称と仕様が異なります。許容スリッページを指定できるタイプでは、許容幅を超えたために成立せず失効する場合があります。「すぐ出す」ことと「必ず成立する」ことは別です。
名称・注文の組み合わせ・許容スリッページの仕様例:DMM FX公式操作ガイド。以下のOCO・IFD・IFOは、基本的な新規・決済の組み合わせを使って説明します。
4. チャートに届いたのに約定しない? まずBidとAskを見る
画面に並ぶ2つの価格は、自分が売る価格がBid、自分が買う価格がAskです。買い指値・買い逆指値はAsk、売り指値・売り逆指値はBid側の条件を見ます。これは新規でも決済でも同じ考え方です。
図解03|買い指値150.000円が、まだ成立しない例
Bid〈自分が売る〉
149.999Bidチャートは150円以下Ask〈自分が買う〉
150.001買う価格はまだ150円より上買い注文が見るのはAsk → まだ条件未達
| Bid | Ask | 買い指値の条件 |
|---|---|---|
| 149.999円 | 150.001円 | まだ届かない:Askが150.000円を超えている |
| 149.998円 | 150.000円 | 到達:Askが150.000円になった |
反対に、売りポジションの損切りは買い戻しなのでAskが基準です。例えば買い逆指値150.500円に対し、Bidが150.498円でも、スプレッドが0.002円ならAskは150.500円です。Bidチャートの高値が注文価格に届いていなくても、条件を満たしています。
根拠:DMM FX「注文レートに到達したのに約定しませんでした」。スプレッドが広がれば、BidとAskの距離も広がります。スプレッドの詳しい図解も参照してください。
5. 価格を動かして、4つの注文を練習する
やりたいことを選び、Bidを左右に動かしてください。AskはBidにスプレッドを足して表示します。条件に初めて到達したところで止まるので、どちらの価格が判定されたかを確認できます。
米ドル/円・注文の条件到達を試す
Ask(買値)が149.500円以下になったら条件成立
いま判定する価格はAsk(買値)の150.002円です。
「条件到達」までの教材です。実際の注文受付・約定・取引履歴は作りません。スプレッドは選択値で固定し、配信遅延・スリッページ・数量制限・証拠金不足等は再現しません。スマホのスライダー、キーボードの矢印キー、上下ボタンで操作できます。
6. OCO・IFD・IFOは、注文が動き始める順番を見る
OCO:2つの出口を連動させる
買いポジションをすでに持っている場合の決済OCOなら、上に利確の売り指値、下に損切りの売り逆指値を設定します。一方が約定したら他方は取り消されます。
図解04|決済OCO:いまあるポジションに、出口を2つ
こちらが約定 → 下の損切り注文を取消
こちらが約定 → 上の利確注文を取消
OCOの連動:JFX公式「OCO注文」。部分約定、取消、手動決済時の残注文の扱いは会社別に確認してください。
IFD:入口が成立してから、出口1つを有効にする
例えば「149.500円で買い、その買いが約定したら148.800円で損切りする」という組み合わせです。出口に利確だけを指定することもできますが、その場合は損切り注文が自動で追加されるわけではありません。
図解05|IFD:入口 → 出口1つ
まだ約定していなければポジションなし
この例では損切り1つだけ。利確は別途考える
IFO:入口が成立してから、出口2つをOCOで有効にする
IFOは「新規+決済OCO」のセットです。画面を見られない間も予約条件を保てますが、新規約定・決済注文の有効化を注文一覧で確認する習慣は必要です。会社によってIFD-OCO・IFDOCO・IFDOなどの名称が使われます。
図解06|IFO:入口 → 約定 → 出口2つ
約定したら損切り側を取消
約定したら利確側を取消
IFD・IFOの仕様例:DMM FX公式スマホ操作ガイド。名称だけで判断せず、注文確認画面で新規と決済の関係を確かめてください。
7. IFOを数字で組み立てる:価格・通貨数・損失額を一緒に見る
新規買いの約定を149.500円、利確を151.000円、損切りを148.800円、数量を4,000通貨と仮定します。米ドル/円は1pips=0.01円なので、利確幅は150pips、損切り幅は70pipsです。
図解07|同じ4,000通貨でも、出口までの距離で損益が変わる
買いの損切り額=(149.500 − 148.800)×4,000=2,800円
利益幅÷損失幅=150÷70≒2.14
口座資金30万円に対し、1回の損失予算を仮に1%=3,000円と決めた例なら、4,000通貨の計算損失2,800円はその範囲内です。ただし逆指値が5pips不利にずれるだけで3,000円になります。1%はこの教材の入力例であり、適切な割合を一律に決めるものではありません。
買い・売りを切り替えて、IFOの損益を確認
売買を切り替えると3つの価格を対応する例へ戻します。米ドル/円専用、価格は0.001円単位です。
損切り70pips/利確150pips/利益幅÷損失幅 2.14
入力した予算3,000円に対して、追加ずれ込みの計算損失は3,000円(口座資金の1%)です。
指定・想定価格どおりの約定を基本とし、追加ずれは損切り側だけに加えます。新規約定と決済約定の価格差を使うため、スプレッドを別途二重加算しません。スワップ・手数料・税金・必要証拠金・他の保有ポジションは含めません。数量の目安は損失予算だけから算出し、発注可能額や損失上限を保証しません。入力値はこのページ内で計算し、保存・送信しません。
新規約定価格と損切り価格の差だけで見積もるなら、数量=損失予算÷1通貨あたりの損失幅です。追加ずれも見込むなら、その幅を足してから割ります。取引単位に合わせて切り下げ、さらに必要証拠金と口座全体の余裕を別に確かめます。
利益幅が損失幅の2倍でも、利益が出るとは限りません。実際には勝率・約定のずれ・取引コストも影響します。リスクリワードと損益分岐勝率で合わせて確認できます。
8. 逆指値は「ここで損失が止まる」という保証ではない
逆指値は指定価格に達した後に執行されるため、価格が飛んだときに指定価格より不利な価格で約定することがあります。注文時に見た価格などと実際の約定価格がずれることをスリッページと呼びます。
図解08|週明けに損切り価格を飛び越えた例
買いポジションを保有
損切りの売り逆指値は149.500円
149.500円で取引できる機会がないまま、週明けを迎える場合がある
この価格で約定したと仮定すると、指定より0.300円不利
例えば外為どっとコムでは、月曜の開始価格が指値・ストップ等の条件を満たした場合に、その開始価格で成立するルールが公表されています。通常時と週明けで扱いが異なることもあるため、「指値はいつでも必ず指定値」「逆指値を置けば損失は必ず予算内」と一律に考えないことが大切です。
会社別の具体例:外為どっとコム「月曜オープン時の約定ルール」。注文単位・流動性・急変時の扱いは各社の約款・取引ルールを優先してください。
逆指値を外すと、損失を管理するための注文もなくなります。注文の限界を理解したうえで、数量を抑える、指標前後や週末の保有方針を決める、口座全体の余裕を確認する、といった対策を組み合わせます。
9. トレールは動く逆指値。ロスカットは別の仕組み
トレール:有利に動いた分だけ、逆指値の位置も追いかける
買いポジションの決済トレールなら、価格が上がると一定幅を保ちながら売りストップも上がります。価格が下がると、ストップは同じように下がって逃げるわけではありません。最高値とストップの差が、指定したトレール幅です。
図解09|トレール幅0.500円・買いの決済例
ストップ
149.500
ストップも上がる
150.300
ストップは据え置き
150.300
ストップ条件に到達
執行へ
最初から利益が確保される機能ではありません。価格が上がる前に逆行すれば損失となり、狭すぎる幅では小さな反落でも条件に達します。外為どっとコムのトレール解説で仕様例を確認できます。
逆指値の損切りと、会社のロスカットを分けて考える
自分で置く逆指値
自分で指定した価格条件で決済するための注文。取引ごとに損失を管理する目的などで使います。
会社が行うロスカット
証拠金維持率などが会社の基準を下回った場合の強制決済。口座状況によって、設定した逆指値に届く前に起きることもあります。
注文を置いたからといって証拠金管理が不要になるわけではありません。ロスカットの仕組みと計算、追加証拠金との違いまで確認すると、価格と口座残高をつなげて理解できます。
10. 約定しない・勝手に消えた・想定外に決済されたときの確認表
まず「未約定の注文」「保有ポジション」「約定済みの履歴」を分けます。発注ボタンを押したこと、注文が受け付けられたこと、取引が成立したことは、それぞれ別の状態です。
図解10|いま何が起きているかは、3つの一覧で見る
予約・受付済み・取消・失効など
→ 待っている注文があるか
買い/売り・数量・評価損益など
→ いま何を持っているか
成立時刻・数量・約定価格など
→ 実際に何が成立したか
| 起きたこと | 最初に見るところ | 次に確認すること |
|---|---|---|
| チャートでは届いたのに未約定 | 買いならAsk、売りならBid | 注文価格・受付状態・有効期限・新規/決済の区別 |
| 届いていないのに損切りされた | 反対側のレートと、その時点のスプレッド | 約定履歴が逆指値か、ロスカット等か |
| IFOの利確が動かない | 新規注文は約定済みか | 約定前は決済注文がまだ有効でない |
| 注文が消えた | 履歴の取消・失効・約定の区分 | 期限切れ、OCOの反対側約定、手動取消など |
| 注文を受け付けてもらえない | エラー文言 | 取引時間、証拠金余力、数量・最小価格差等の条件 |
| 即時注文が失効した | 許容スリッページ設定と履歴 | 会社の仕様、通信状況、相場の急変 |
| 手動で閉じたはずなのに残っている | ポジション一覧の数量と売買 | 新規反対注文・両建て設定・一部決済ではないか |
| 変更・取消と同時に成立した | 処理完了の状態と約定時刻 | 変更・取消が成立前に完了していたか |
原因が不明なら、注文番号・通貨ペア・日時・注文種別・指定価格・約定価格を整理して取引会社へ確認します。確認しないまま同じ注文を連打すると、意図しない重複注文につながります。
受付時間・有効期限・両建て設定等の仕様例:外為どっとコム「取引概要」。時間外の説明:DMM FX「チャートやレートが更新されず取引ができない」。
11. 注文前に8項目を照合。その後デモで1往復する
チェックはこのページを開いている間の確認用です。保存・送信はしません。
3問で、間違えやすいところを確認
問1:売りポジションを持ち、上がったら損切りしたい。何を置く?
答え:決済の買い逆指値。売りポジションは買い戻して終わります。上の価格で買うので逆指値です。判定するレートはAskです。
問2:IFOの新規買いは未約定。その前に利確価格へ上がったら?
答え:そのIFOの利確はまだ働きません。新規が約定して初めて、決済OCOが有効になります。注文全体の受付状態と期限も確認します。
問3:1万通貨の買いで、損切りが指定より0.05円下で約定。追加損失は?
答え:0.05円×10,000通貨=500円。米ドル/円の0.05円は5pipsです。追加損失は価格のずれと数量の両方で決まります。
次は取引会社のデモで「新規予約→注文変更→約定確認→決済予約→決済確認→残注文の確認」を1回通してみましょう。ここでの条件判定ツールは、会社の実際の画面操作や約定環境を再現するものではありません。
12. FXの注文方法でよくある質問
初心者はどの注文から覚えればいい?
まず成行・指値・逆指値を、買いと売りの両方で区別します。その後、すでに持っているポジションの決済OCO、新規と出口をまとめるIFOをデモで練習すると順番をつかみやすくなります。
指値注文を置けば、必ずその価格で買える?
価格条件に届かなければ成立しません。判定側のBid・Ask、受付状態、期限も関係します。条件到達時の約定価格、週明け等の扱いは会社ごとに確認してください。
逆指値と損切りは同じ意味?
逆指値は注文の仕組み、損切りは損失を確定して取引を終える行動です。逆指値は新規のブレイク注文や、利益が出ているポジションを反落時に閉じるためにも使えます。
OCO・IFD・IFOのいちばん簡単な覚え方は?
OCOは「片方が成立したら片方を消す」。IFDは「先が成立したら次を出す」。IFOは「先が成立したら、次をOCOで出す」。入口と出口の順番を図解04〜06で確認してください。
IFOとFIFOは同じ?
別の言葉です。IFOは新規と決済OCOの組み合わせです。FIFOは先に建てたポジションから決済する扱いなどを指します。自動的に反対売買を決済へ充てる設定もあるので、会社の操作ガイドを確認してください。仕様例:DMM FXのFIFO注文。
注文はスマホを閉じても残る?
会社側に受付済みの予約注文は、通常、アプリを閉じたことだけでは取消になりません。ただし端末上で動く自動売買や一部の機能は別です。例えばアヴァトレードのMT4トレールはログアウト中に追従が止まると案内されています。受付済みか、有効期限はいつか、端末の稼働が必要かを注文一覧と仕様で確認してください。
指値や逆指値を変更・取消できる?
未約定でも、変更・取消が可能な時間や項目は会社・注文タイプで異なります。操作中に約定することもあるため、操作完了後に注文一覧と約定履歴を確認します。決済注文を一時的に外す場合は、その間の管理も必要です。
土日に予約しておけば、土日でも約定する?
一般的な国内の店頭FXでは、取引時間外に受付可能な予約注文でも、その時間外に取引が成立するわけではありません。取引時間・土日・祝日と会社の注文受付時間を確認してください。
公式の根拠・計算の前提
出典確認日:2026年9月8日。一般的な注文の考え方と、特定の会社の仕様例を分けて記載しています。実際に使う会社の最新の操作ガイド・取引ルール・契約締結前交付書面が優先されます。
- JFX:指値注文・逆指値注文 — 買い・売りの価格関係と逆指値の執行。
- JFX:OCO注文 — 2つの注文の取消連動。
- DMM FX:PC操作ガイド/スマホ操作ガイド — 注文の組み合わせ・有効期限・各操作の仕様例。
- DMM FX:価格に到達したように見えても約定しない場合 — 買いはAsk、売りはBid、新規と決済の向き。
- 外為どっとコム:月曜オープン時の約定ルール — 週明けの価格飛び越しと約定の仕様例。
- 外為どっとコム:トレール注文/取引概要 — 追従の仕組み、期限、注文条件等。
本ページの図・価格例・練習ツールは当サイト制作です。実相場・実績・売買推奨を示すものではありません。計算は米ドル/円、1pips=0.01円、価格差×通貨数を使用します。入力した追加ずれを超える約定差や、預けた証拠金を上回る損失が生じる可能性もあります。