FXのDMI・ADXとは?
DMIは「上方向と下方向のどちらが優勢か」、ADXは「方向を問わずトレンドがどれくらい強いか」を分けて測ります。3本を役割別に読むと、クロスだけを追いかける失敗を減らせます。
DMI・ADX計算ツール
ワイルダー方式でTR、+DM、-DMを平滑化し、+DI・-DI・DX・ADXを順に計算します。このツールで14期間ADXの初期値を出すには最低28本の価格データが必要です。DIの上下で方向、ADXの高さと傾きで強さを確認します。ADXが高くても下落トレンドの場合があります。
3本の役割を分ける
| 線 | 答える質問 | 単独では分からないこと |
|---|---|---|
| +DI | 上方向の値動きはどれくらい優勢か | トレンド全体の強さ |
| -DI | 下方向の値動きはどれくらい優勢か | トレンド全体の強さ |
| ADX | 方向を問わずトレンドがどれくらい強いか | 上昇か下落か |
定義・一般的な20/25の目安:TradingView「方向性指数(DMI)」、TradingView「ADX」。計算式の日本語解説:OANDA「DMI・ADX」
DMI・ADXの計算手順
| 段階 | 計算 |
|---|---|
| UpMove | 当日高値-前日高値 |
| DownMove | 前日安値-当日安値 |
| +DM | UpMoveがDownMoveより大きく正ならUpMove、それ以外0 |
| -DM | DownMoveがUpMoveより大きく正ならDownMove、それ以外0 |
| TR | max(H-L, |H-前C|, |L-前C|) |
| +DI / -DI | 100 × 平滑DM ÷ 平滑TR |
| DX | 100 × |+DI--DI| ÷ (+DI+-DI) |
| ADX | DXをワイルダー方式で平滑化 |
同じ足で高値も安値も広がった場合は、拡大幅の大きい側だけを方向性として採用します。そのうえでTRに対する割合へ正規化するため、値段の桁が異なる通貨ペアでも0〜100付近の尺度で読めます。
ADXの20・25・40をどう読むか
| ADX | 一般的な見方 | 確認すること |
|---|---|---|
| 20未満 | 弱い、または明確なトレンドが乏しい候補 | レンジ内の往復とDIの連続交差 |
| 20〜25 | 移行帯 | ADXの傾きと価格のブレイク |
| 25以上 | 強いトレンド候補 | +DIと-DIのどちらが上か |
| 40以上 | かなり強い状態候補 | 加速だけでなく伸び切りとリスク拡大 |
4つの組み合わせで相場を読む
| DIの方向 | ADX | 相対的な解釈 |
|---|---|---|
| +DI > -DI | 上昇中 | 上方向優勢でトレンド強度も増加 |
| +DI > -DI | 低下中 | 上方向優勢だが強度は鈍化 |
| -DI > +DI | 上昇中 | 下方向優勢でトレンド強度も増加 |
| -DI > +DI | 低下中 | 下方向優勢だが強度は鈍化 |
ADX低下は価格下落を意味しません。上昇トレンド中にADXが低下する場合は「上昇の強さが鈍った」のであり、価格がただちに下がるとは限りません。
DIクロスの強弱
+DIが-DIを上抜く
上方向の値動きが相対的に優勢へ変わった候補です。ADXが20未満で横ばいならレンジ内の交差、25以上で上向きなら方向と強度がそろった候補として区別します。
-DIが+DIを上抜く
下方向の値動きが相対的に優勢へ変わった候補です。クロス時点では価格がすでに動いた後の場合もあるため、直近高安と損切り距離を確認します。
ADXがピークを付けたとき
ADXが高水準から低下し始めると、トレンドの「方向」ではなく「強度」がピークアウトした候補です。+DIと-DIの関係が維持されている限り、価格は同じ方向へ緩やかに進む場合があります。
- ADX低下だけで反対売買しない。
- DIクロス、直近高安の更新停止、ローソク足の確定を待つ。
- 含み益がある場合は利確・追随ストップの検討材料にする。
ATRとの違いと組み合わせ
| 指標 | 測るもの | 代表的な用途 |
|---|---|---|
| ATR | 実質的な値幅・ボラティリティ | 損切り幅、数量調整 |
| DMI | 上方向・下方向の優勢 | 方向確認 |
| ADX | 方向を問わないトレンド強度 | トレンド・レンジの選別 |
ADXが高くATRも上昇しているなら、方向性のある値幅拡大候補です。ただし損切り距離も広がるため、取引数量を小さくして許容損失を一定に保つ考え方が重要です。
時間足と設定の考え方
- 短い期間:方向変化へ速く反応するが交差が増える。
- 長い期間:滑らかになるが新しいトレンドへの反応は遅れる。
- 短い時間足:市場ノイズとスプレッドの影響が相対的に大きい。
- 長い時間足:1シグナルの価格幅が広く、損切りと数量調整が重要。
一般的な14を基準にし、シグナル数だけでなく最大損失、平均利益、レンジ相場での連敗を含めて検証します。
実戦での確認手順
よくある失敗
- ADX上昇を価格上昇と誤解する。
- ADX低下を即座のトレンド反転と決めつける。
- ADX20未満でDIクロスをすべて追いかける。
- 25を1目盛り超えただけで強いトレンドと断定する。
- 異なる時間足のDMIを都合よく切り替える。
- ボラティリティ上昇時も同じ数量で取引する。
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よくある質問
ADXが25以上なら買いですか?
違います。ADXは方向を示しません。買い・売りの方向は+DIと-DI、価格の高値・安値などで確認します。
ADXが下がったら決済すべきですか?
一律ではありません。強度の鈍化候補なので、DIの関係、直近高安、保有ルール、利益保護の方法と合わせて判断します。
DMIとMACDはどちらがいいですか?
役割が違います。DMI・ADXは方向性のある値動きと強度、MACDは2本のEMA差とその変化を見ます。目的を決め、同じ過去データで比較してください。