FXとは?

FXとは外国為替証拠金取引(Foreign Exchange Margin Trading)の事で、外貨を買ったり売ったりすることで利益を得たり、通貨を保持して金利で利益をあげたりする外貨投資のひとつです。

特徴的なのはレバレッジを効かせることで少額の資金でも大きく稼ぐ可能性があることです。

しかし一時期はあまりにもハイレバで投資をする個人が増えて一攫千金を狙って逆に大きな損失を出してしまったり、詐欺商材などが蔓延して最後は規制にいたりました。

ある意味これからがFX投資が熟成していき確実性と可能性が両立できる投資として確立するか岐路に立っていると言えるでしょう。

レバレッジとは?

レバレッジとは一般的な経済用語の中でテコ(レバ:lever)を利用するといった趣旨で手持ちの資金以上の取引を投資の中の商品などを利用することによって効率よく投資を行う意味で使われますが、FXにおけるレバレッジとは自己資金(証拠金)を担保にして何倍の取引の金額をするのか?その時の倍率の事を指します。

例えば自分のFXの取引口座に10万円の証拠金があったとしましょう。

その10万円でドル/円相場が100円の時に100万円分すなわち1万ドル分のポジションを建てたとしたら、この時のレバレッジは10倍になります。

このように実際少ない資金でも多くの外貨を売り買いできるのがレバレッジの特徴です。

FXの歴史と今後の展開

外為取引は日本では法律で厳しく制限されてました、その理由としては通貨の安定や国内の産業を保護するのが目的でしたが時代の移行に伴って1980年には銀行など金融機関のみは取引できるようになりました。

そしてさらにグローバル化と産業の構造変化(製造からサービスや金融業へ)に対応するように改正外為法(1998年)が施行されて完全自由化して個人でも外為取引ができるようになりFX(外国為替証拠金取引)が誕生しました。

FXの黎明期である当時のFX会社の中には悪徳業者も多く手数料を稼ぐために取引をあおったり顧客の資金を勝手に運用したり持ち逃げするなどひどい業者も少なくありませんでした。

そのため一時期はFXに対するイメージは悪くなりましたが、2005年に法改正と登録制などを取り入れ、取り締まりが強化され次第に収拾していくことになります。

この悪徳業者が淘汰されていくと株式と較べて比較的簡単にそして少額で始められるといったスタンスがマスコミに取り上げられ、また主婦層でも億単位で稼ぐトレーダーが話題になるなど一気にメジャーな個人投資の存在へとなりました。

FX会社の競争も激しくなり手数料も安くなるなどしてさらにFXユーザーが爆発的に増えました。

この当時は円安で相場も安定して狼狽売りなどが比較的少なくボックスレンジなどで細かく売りぬく手法など堅く稼げたり、スワップ金利も高かったので投資本やマニュアルなどが売れた時期でもありました。

しかし素人ユーザーの増大による相場の乱降下やサブプライムショックによる円高などによって、乱降下によるレバレッジの怖さやもろさが全面に露出して相場から撤退する人も増大したのも事実です。

これからのFX投資は簡単に稼げるレベルからより高度なスキルで挑まなければリスクの波に飲み込まれてしまう方向になるでしょうが時代の流れは個人投資はもっとメジャーで必須になり日本も貯蓄から投資への流れは加速していきます。

そういった流れの中でより堅いトレードをFXで確立できる人、不断の勉強と努力を惜しまない人にとってはFXは魅力のある個人投資の位置となっていくのは間違いありません。

FXのリスク

FXのリスクはアカデミック的によくいわれるのは「カントリーリスク」「マージンコールリスク」「為替変動のリスク」です。

カントリーリスクとは国の違いによる経済や様々な情勢による不安定な要素の事を指しますが、特にマイナー通貨を持つ国のような先行きが不透明で読めない場合に使う言葉です。

その他にも先進国であっても突発的なテロや経済の不安定な要素によって急激な為替変動を受けることも指します。

マージンコールリスクとはその名の通りマージンコールが起こるリスクですが、マージンコールとは保持しているポジション、実質的なトレード金額に対して現在の証拠金が不足した時に業者からユーザーに対してさらに追加の証拠金を入金するのか、それとも即決済して損失を確定するのか判断をせまる連絡のことです。

もし相場不利な方向に進み入金もしなければ自動的に決済は行われトレードは強制終了となります。

マージンコールリスクとは強制的に損失決定してしまうリスクといえますが、これは証拠金以上の損失を出さないための措置ともいえます。

為替変動のリスクとはその名の通り各通貨の為替の急劇な変動によって大きく損失するリスクのことです。

FXのリスクにはその他にもネットで取引する場合にはインフラのリスクもありますし、業者の倒産や詐欺的な行為など様々ありますが、初心者の方に特に注意して認識してほしい事に基本的にFX取引はリスクの大きい投資であるということです。

それは金額の大小にかかわらずFXトレードはゼロサムであるということです。

ゼロサムとは勝つ人がいれば必ず負ける人がいるということです。

みんながみんな同時に勝利者にはなれないのがFX相場ですし、そのほとんどのプレイヤーは負け組であるといっても差し支えありません。

これだけ厳しい世界であるとまず認識することが初心者がFX取引のリスクを把握する第一歩だと言えます。

特に最近は相場の基本的な振り幅が大きくなる傾向があり従来のリスク管理では追いつかない場面が突発的に起こるケースが増えてきています。

そのためにも完全に相場から撤退することがないようきちんとロスカットルールを自分で決めておくことが大事になります。

ロスカットルールとは?

ロスカットルールとは一般的にFX業者が顧客の資産を守るために独自に決めた水準で強制的にトレードを終了させるシステムのことで各業者によって多少基準が異なっています。

ロスカットやマージンコールがないと保有ポジションの相場が不利な方向に急変動した時に証拠金をすべて失い、さらに追加で損失分を補てんしなければならないことにもなりかねません。

現在多くのFX業者は証拠金維持率を独自に取り決め、ルールを開示しています。

それにそってマージンコールや強制ロスカットを行っているのでFX会社選びの際には注意が必要です。

またFXトレードで生き残るためには自分のロスカットルールを決めておき、そのルールに徹しきれるかどうかが重要になります。

損失はなるべく少なく抑え、利益をあげられる時になるべく大きく稼ぐのが相場で生き残っていくための基本中の基本です。

FX取引の基本的な利益の出し方とは?

FX取引において利益を出す基本的な概念は単純です。

ひとつは差額で利益を出すいわゆるキャピタルゲインです。

これは株でも不動産でもそうですが、なるべく安く買って高く売ることによって差益を稼ぐ方法です。

FX取引では外貨をなるべく安く買って高くなったら売るのが基本になります。

もうひとつはスワップ金利による利益です。

取引する2国間の間には金利差がありますが、それをスワップ金利と呼び外貨にもよりますがポジションを保持することによって毎日スワップ金利を得ることができます。

このスワップ金利は条件によって変動したり逆転する場合もあるので注意が必要ですが逆に金利差が大きい時にはあえて狙ってスワップ金利で稼ぐ方法もあります。

この二つがFX取引の基本的な利益の出し方になります。

ロングポジションの差益で稼ぐ

外貨をなるべく安く買って高く売るのがFX取引の基本中の基本ですが、この買う時の事をロングといい買っている状態の事をロングポジションを保持するといいます。

この買いから入るトレードを単純にロングともいいます。

買いから入るトレードは単純に安く買って高くなったら売るわけですからわかりやすいですね。

例えばドル/円相場で1ドル100円の時に買いポジションを保持しておきます。そのうち110円になったら売ったとしましょう。

その時10円の利益がでますから10万円の証拠金でレバレッジ100倍にした場合100万円の利益がでます。(実際には10円の利益を出すのは大変ですが・・・。)

ショートポジションの差益で稼ぐ

FX取引には買い取引だけではなく売りから入るショート取引も可能です。

ですので例えばドル/円相場でドルがある一定の水準からこれから上がる場合でも下がる場合でも利益が出せることが可能になります。

よく売りから入る概念がよくわからない方がいますが、ドル/円相場で売りから入るとはまずFX業者からドルを借りると考えてください。

そして例えば1ドル110円の時に1万ドル売ったとしましょう。

相場が円高になって1ドル100円になりました。

その時にドルを1万ドル買い戻しました。

そしてFX業者に1万ドルを返しました・・・どうですか?手元には10万円残り、利益がでました。

少し詳しく説明するとまずドルを売った時点で110万円保持してることになりますね。

そして1ドルの価値が100円になった時に1万ドル買うわけですから買うのに100万円しかかかりませんね。

ドルの価値が下がった時に買い戻すことによって円の利益を出すのがショート取引です。

よくロングがドル、ショートが円といわれる所以です。

すなわちこの場合1万ドルの価値がより高いうちに売って価値がやすくなったら買い戻すといった感じです。

例えばあやしいドルというツボをFX業者から借りてきて、110万円で売ったとします。

そしてうまいことだまして100万円で買い戻せば10万円の利益がでます。

あとはそのツボをFX業者に返せばよいのです・・・。

これが売り注文ショート取引のカラクリです。

注意すべきはクロス円取引で、円が超低金利の場合など高いスワップ金利を払わなければならない時があるので注意が必要です。通常の手数料とスワップ金利分のコストがかかります。

順張りと逆張り

FXで利益を上げようと考えた時に基本になるのが順張りと逆張りです。

この概念は人によってはかなり高度な説明をする人がいますが考え方としてはシンプルです。

順張りとはすでに起こっている強いまたは大きな流れにそって買いまたは売りをすることであり、逆張りとはこれから大きく流れが反転していくと予想してその反転の流れにそって買いまたは売りを入れる事です。

最近ナンバーズやロト6などを買う人は多いと思いますが順張りならば出目を、逆張りならば死に目といった感じです。

当然順張りのほうが安心感がありいわゆるトレンドに乗るやり方になるので王道の手法といえます。

逆張りはあくまで反転する可能性にかけるスタイルですからリスク的には高いといえます。

トレードスタイル

スワップトレード

スワップトレードは外貨を長期にわたって保持して売り買いではなくスワップ金利で利益を狙うトレードスタイルです。

一時期はクロス円である一定の利益が期待できスワップ派などと呼ばれる投資家もいて堅いFXトレードとして定着していましたが、相場の乱降下や金利のうまみがなくなったりして効率の悪さから外貨預金と変わらないレベルになってしまいリスクとつりあわない投資スタイルと見る方もいるようです。

しかし相場は常に変化してるので金利差がでてきた通貨を狙いスワップ狙いでトレードする機会はこれからもあるでしょう。

スウィングトレード

スウィングトレードとは短期の売り買いの差額で稼ぐトレードスタイルで、特徴としては数日から数週間の間に利益を確定していくところにあります。

よく相場を予想するのにファンダメンタルとテクニカル指標とがありますが、スウィングトレードではチャートなどを参考に短期の売り買いを繰り返すことによって利益を狙います。

デイトレード

デイトレードはその名の通り一日のうちに売り買いを済まして利益を確定するトレードスタイルです。

デイトレもチャートなどのテクニカル指標を参考にしてトレードする手法です。

スキャルピング

スキャルピングとはデイトレードの中のひとつと捉える人もいますが、わずかな利益がでたらすぐに決済をしてそれをより多く繰り返す手法です。

いわば薄利多売の商売のように数を繰り返すことによって短期で利益を上げようとする手法です。

高いレバレッジをかけて一気に稼ぐスキャルピングを行うトレーダーも多かったのですがあまりにもリスクが高く一時期はそれが原因で資産をなくす人が増えて結果的に規制の流れになったと言えます。

しかし実際この手法で成功した例もあるのでスキルのある人はこれからも稼げる手法として実践されるでしょう。

システムトレード

システムトレードとはいわゆる自動売り買いのことで、自分がパソコンや相場に張り付いてトレードをするのではなくプログラムに売り買いをさせて利益を上げる手法です。

自動売り買いといっても完全にプログラムに依存するものとロスカットや時によって判断は自分でする半自動的なものといろいろあります。

システムトレードには各FX業者が扱うものもあれば個人や会社が無料・有料で提供するものまであります。

でははたしてシステムトレードは儲かるのでしょうか?

完全無欠のソフトやシステムはあるのでしょうか?

もし本当にそんなものが存在するなら開発者は絶対公開はしないでしょうというのが道理です。

ではまったく儲からないかといえば過去にシステムトレードで利益を上げた例はいくらでもあるでしょう。

しかしそのソフトやシステム手法が未来永劫に通用するかといえば疑問は残ります。

実際は常にデータの更新やどのような設定、すなわち投資する額や狙う利幅・通貨・タイミング等によって全く違う手法になってきます。ですが一定の期間・トレンド・条件の中でよりシステマチック且つ確実に利益をあげることは不可能ではないでしょう。

そういう意味ではやはり最後は人の手・センスによってなし得ると言えます。

気になるシステムがあって過去のデータに対して勝率をバーチャルで検証できて、結果勝率の高いプログラムであれば条件付で試してみる価値はあるかもしれません。

シグナル配信

シグナル配信とは各FX業者のサービスやコンサルタントの指示(メール配信等)に従ってFXトレードを行う手法です。

シグナル配信も無料・有料とありますが当然完全無欠な指示はありません。

大手のアドバイスなどはまだ信頼できますがあくまでトレードのヒントというスタンスで最後の売り買いは自己責任になります。

安易に自分に自信がない場合や初心者だからといってシグナル配信に依存するのは非常に危険ですし間違いなく資産を失うでしょう。

また素人的には信頼できそうな巧みな広告や宣伝もたくさんありますが、約款などをよく読めばユーザーに被害が及んでも法的に免れるようになっているものです。(厳密にはそれも詐欺だと思いますが・・・。)

どうしても試してみたい場合は無料期間などがある場合はデモトレードで検証したり、有料情報の場合でも検証してから慎重に利用したほうがいいでしょう。

いずれにしても売り買いシグナルは相場の動きをアドバイスするのが本質であってそのシグナルをどう判断して実際のトレードをするかしないかは利用する側の責任になります。

何度も言うように本当に儲かる情報があれば人にわざわざ教える必要はなく、自分で売り買いすればそれこそ儲かるわけですから道理から考えれば答えはでているようなものです。

このページの先頭へ